現在(2015.10.19)、国や自治体の施策として起業時や創業時における補助金や助成金にかなり力が入れられています。この国や自治体からの補助金や助成金、個人事業主がもらった場合の税金の取り扱いはどのようになるのでしょうか。
補助金と助成金の違いは?
まず、補助金と助成金、この2つの違いってあるんでしょうか?
実はこの2つに違いはありません。
以前は、拠出元の省庁や、書類の整備の仕方に違いがありましたが、今はその境界線が曖昧になっています。ほぼ同じと考えておいていただいて大丈夫です。
税金での取り扱いも同じです。
ただ、税金の場合は名称よりも内容が大事になってきます。◯◯補助金や△△助成金という名称であっても、国や自治体から拠出されたものではない場合もあります。
まずは内容をよく確認しましょう。
所得税の取り扱いは
事業に対してもらった補助金や助成金の収入は、事業所得の「雑収入」になります。
青色申告決算書を例にすると、具体的な記載方法はこのようになります。
まず2ページ目左上の『月別売上(収入)金額及び仕入金額』欄の『雑収入』のところにもらった補助金や助成金の額を記入します。
そうすると通常の売上と合計されますので、合計額を1ページ目の『売上(収入)金額①』欄に記載します。
それから、意外と大事なのがこちらです。3ページ目右下に『本年中における特殊事情』欄がありますので、そこに下記のような文言を入れておきます。これは、次の消費税の話にもつながります。
以上で、青色申告決算書への記載は完了です。
消費税の取り扱いは
消費税の取り扱いは、「不課税」で消費税がかかりません。消費税の取引区分には課税・非課税・不課税・免税とあるのですが、ややこしいので「補助金や助成金は、消費税がかかる売上や収入にならない」と認識しておいてください。
消費税の取引区分の違いについては、こんな記事「後で困ります:消費税の非課税と免税の大きな違い」も書いています。
以上「消費税はかからない」で問題ないのですが、もし補助金や助成金を含めると売上(収入)金額が1,000万を超えちゃったという場合、税務署ではこういうことを思います。
「売上が1,000万を超えている。消費税はどうなるかな?」
売上が1,000万を超えると、消費税を納めなければならない事業者になります。でも、今回の売上には消費税がかからない補助金や助成金も含まれている。実際の売上は、1,000万もありません。
ここで前述の『本年中における特殊事情』欄が生きてきます。事情を明示しておくことで、その疑問が解消されます。
少しの工夫ですが、大事なことです。
まとめ
いかがだったでしょうか。税金の取り扱いに少しだけ注意が必要ですが、事業を続けていくため、新しいことをはじめるため、補助金や助成金は、とても有効で助かるものです。積極的に活用してみてください。
◉編集後記◉
自転車練習2日目
もうほぼ乗れるようになりました。子供の吸収力ってすごい。