年末にそろそろと近づいてきました。年末調整の書類を職場から渡されたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。年末調整でよくある勘違い。今回は勤労学生控除についてです。
こんな話がありました
「ウチの子、アルバイトしよるけど大学生なんよ。その子の分の勤労学生控除ゆうんが、ワシに使えるんじゃねえん」
「勤労学生」いい響きです。働きながら勉強していますという感じが伝わってきますよね。この勤労学生控除は、この方に使えるんでしょうか。
勤労学生控除の要件は下記のようになっています。
所得者本人が、次の(1)、(2)及び(3)のいずれにも該当すること。
(1) 学校等の児童、生徒、学生又は訓練生
(2) 合計所得金額が65万円以下
(3) 合計所得金額のうち給与所得等以外の所得金額が10万円以下
何と出だしで!使えないということがわかります。「所得者本人が」というところです。
本人控除と扶養控除の違い
所得金額から引くことができる所得控除の種類は、大きく分けて3つあります。
①本人が該当するから対象になるもの
②家族が該当するから対象になるもの
③家族が該当するんだけど、本人が負担したから対象になるもの
例示すると、①は、寡婦(夫)控除や基礎控除。②は、配偶者控除や扶養控除。③は医療費控除や社会保険料控除。少しややこしいですが、①と②の両方になるもので、障害者控除などがあります。
今回の勤労学生控除は、①だったんですね。
こんな場合は使えるかも
「なんだ。じゃあ、あんまり使えんなあ」
でも、こんな場合はいいかもしれません。
要件の『(1) 学校等の児童、生徒、学生又は訓練生』であることですが、この学校等には、いわゆる職業訓練学校も含まれています(証明が必要)。大学生や専門学校生じゃないとダメというわけではありません。
年の途中で仕事を辞めて、思うところがあって職業訓練学校に行っている。仕事は辞めているので、年間の所得はあまりない。
確定申告になると思いますが、「勤労学生控除」忘れないように使ってくださいね。
まとめ
「起業しよう」と仕事を辞めて、学校に通っているという方、応援したいです。勤労学生控除が使える場合があるかもしれませんので、確定申告のときには気をつけてみてください。
残念ながら、いわゆるカルチャースクールやセミナーなどは、要件の『学校等』には該当せず、勤労学生控除は使えません。ただ、起業のときに経費になる可能性がありますので、支払った金額などがわかる書類は、しっかりとっておきましょうね。
起業については、こんな記事「こだわった事業をするために:小商いに必要な3つのSとは」も書いています。
◉編集後記◉
子供たちが秋の学習発表会の台本を持って帰っています。
照れながらも練習。本番が楽しみです。