個人事業主の申告:どうなる?青色申告65万円特別控除の適用順序

スクリーンショット 2016-01-11 7.18.50青色申告特別控除は、一定要件を満たすと所得金額から65万円(または10万円)を引いてもらうことができるという制度です。では、このような場合は、いくらを引いてもらえるのでしょうか。

青色申告特別控除

不動産所得又は事業所得がある青色申告者は、一定の要件を満たせば、これらの所得金額から合わせて65万円を引いてもらうことができます。

ただ、その一定の要件(記帳の仕方や添付する書類、期限内に提出するなど)を満たしていたとしても、10万円の控除しか受けられない人がいます。

それが、事業的規模ではない不動産の貸付けをしている人です。

事業的規模ではない不動産の貸付け

事業的規模ではない不動産の貸付けである場合、その不動産所得からは10万円しか引いてもらうことができません。

不動産の貸付が事業として行われているかどうかは、社会通念上(とても便利な用語です…)に照らして、実質的に判断します。

具体的には次のように示されています。

 

①貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10室以上であること

又は

②独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること

もしくは

③賃貸料の収入の状況、貸付資産の管理の状況等からみて①又は②の場合に準ずる事情があると認められる場合

 

不動産の貸付けが事業として行われているかどうかは、ある程度幅を持たせていますので、その判断は難しいです。

普段はサラリーマンをしていて、少しだけ家賃収入があるというような状況だと、たいていの場合は事業規模ではない不動産所得になるでしょう。

事業所得と事業規模ではない不動産所得

では、このような場合は、いくらを引いてもらえるのでしょうか?

「本業の事業所得は赤字だけど、ちょっと貸してるアパートは黒字」

このようになります。

【例】

事業所得 △200,000

事業規模ではない不動産所得 700,000

━━━━━━━━━━━━━━━━

このような場合、事業規模ではない不動産所得は10万円控除しかできないから

事業所得 △200,000

事業規模ではない不動産所得 600,000(700,000−100,000)

ではありません。

━━━━━━━━━━━━━━━━

事業所得 △200,000

事業規模ではない不動産所得 50,000(700,000−650,000)

になります。

━━━━━━━━━━━━━━━━

損益通算後(△200,000−50,000=△150,000)の所得金額が変わりますので、注意して計算してみてください。

国税庁HPにも例が記載されています。国税庁HP『青色申告者のための貸借対照表作成の手引き』❒ P.17(2016.1.11現在)

まとめ

通常は、本業(事業所得)のほうで65万円を引ききれるという場合が多いかと思います。

ただ事情があって、本業のほうでは赤字が出てしまったという場合、65万円の引いてもらいかたには、このようなパターンもあります。

この計算間違い。あったとしても気付かなければ直してもらえる可能性は少ないです。

心当たりがあれば、注意してみてくださいね。

 

 

◉編集後記◉

岡山県津山市の鶴山公園(津山城跡)へ。近くで見るとあの石垣には圧倒されます。次男(小1)は戦国時代に興味があるらしく、妻はそこかしこにある説明文を全部読まされてました(^^)

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