長期譲渡所得の100万円の特別控除:記憶に残りやすい控除がある

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その昔、長期譲渡所得から100万円の特別控除ができるという制度がありました。この制度、廃止されてからすでに10年以上たっていますが、いまだに耳にすることがあります。

長期譲渡所得とは

個人で土地や建物などを売ったときに出たもうけが、譲渡所得(じょうとしょとく)です。

譲渡所得は、所有期間によって長期譲渡所得(ちょうきじょうとしょとく)と短期譲渡所得(たんきじょうとしょとく)に区分され、税金の計算も別々に行います。

長期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもの

短期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下のもの

譲渡した日ではなく、譲渡した年の1月1日で判定しますので、少しだけ注意が必要です。

例えば、平成22年3月1日に購入した土地や建物を、平成27年3月1日に売ったとします。

所有期間は、平成22年3月1日〜平成27年1月1日で5年以下になりますので、これは短期譲渡所得になります。

100万円の特別控除

この長期譲渡所得には、以前出たもうけから100万円の特別控除をしてもいいよという制度がありました。

これは、平成16年度の税制改正により廃止されています。

平成16年1月1日以降に土地や建物を売った場合には、適用がありません。

ついでにいうと、土地や建物を売ってもうけではなく損が出た場合、他の所得(例えば給与や年金など)から引いてもいいよという制度もありました。

これも同じく、平成16年度の税制改正によって廃止されています。

記憶に残りやすい控除

「確か100万引けたよな」

いまだにこのように聞かれることがあります。

廃止からすでに10年以上。

国税庁のHPなどでは、それに触れられることすらありません。

それでも、人の記憶に残っている。

記憶に残りやすい控除だったと言えるでしょう。

まとめ

特例や控除の中には、人の記憶に残りやすいものがあります。

そのため、記憶にだけたよっていると、その適用を見誤ります。

適用できるかどうかという検討は、どのような状況であっても、常に確認が必要になってきますね。

このような記事「あえて憶えていません:控除額や税率を憶えていない税理士は信頼できないか」も書きました。

「あえて」というのは、ちょっと言い訳っぽいですが^^;

 

 

◉編集後記◉

昨日の夜から雪が降って今朝は積もっています。今季最後の雪になるかな。


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