あえて憶えていません:控除額や税率を憶えていない税理士は信頼できないか

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具体的な控除額や税率について聞かれると「ちょっと待ってくださいね」となることがあります。本当は控除額や税率を覚えておいて、即答できると格好がいいのでしょうが、私はできません。それは、あえてそれらを覚えないようにしているからです。

記憶は経年劣化する

経日劣化といってもいいかもしれません。記憶は日々古くなって忘れたり、曖昧なものになります。これには、人体の構造上あらがうことはできません。
毎日すべての控除額や税率について記憶し直す、ルーティーンを組んで記憶し直すなどの対策が考えられますが、すべての控除額や税率を普段使う訳ではなく、あまり効率的ではありません。
記憶には混同もあります。特に税法は似たような控除額や税率が多く、それらを記憶の中だけで正確に判別するのは困難です。また、混同した中で間違った回答をしてしまう可能性もかなり高くなります。

税法は毎年改正される

税法は改正の多い法律です。こんなに改正が多い法律は他にないかもしれないというくらい毎年毎年改正があります。しかも、それには身勝手なものも多く、ずっと常識だと言われていたものが、経済政策という美旗のもとに、その考え方がガラリと変わるということもあります。
ですから、きっちりと記憶に刻み込んでいても、それが「あれ、これは前は常識だったっけど、今はそれでいいんだったっけ?」と疑心暗鬼になることがあるのです。

全体の流れでとらえている

ただ、何も覚えていない訳ではありません。
私は、控除額や税率の変化を、全体の流れでとらえるようにしています。ファッションにトレンドがあるように、税法の改正にもトレンドがあります。そのトレンドが控除額や税率にどのような影響を与えているのか、大きい枠でまず捉えます。
そして、それに加えて今年の改正でお客様との話題になりそうなことを覚えるようにしています。
得意分野についても覚えます。資産税関係(相続・贈与・譲渡所得)については即答できるようにいつも準備はしています。ただ、やはりこれにも記憶の限界があるので、曖昧な回答を避けるため、少しお待ちいだだくこともあります。

まとめ

控除額や税率について質問すると、「えーと、ちょっと待ってくださいね・・・」と言われると「大丈夫かな〜」と思ってしまいます。でも、正確に回答するため記憶にばかり頼るのは、やはり限界があります。
質問をすると本をパラパラとめくり出す税理士は、頼りなさそうに見えて、実は曖昧な回答を避けようとする誠実で信頼できる税理士なのかもしれません。
そんな私への言い訳でもありますが・・・


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