しないほうがよかった?:非償却を繰り返したときの思わぬ弊害

2E14016D-B477-4353-8A24-FFDADD298051法人が減価償却をするかしないかは、その法人の任意になっています。決算数値の調整としてまず思いつくのが減価償却を非償却とすることではないでしょうか。その非償却には少なからず弊害もあります。

法人が減価償却をするかしないかは任意

法人の減価償却資産の償却費の損金算入については、その法人の各事業年度終了の時において有する減価償却資産につき、償却費として損金経理をした金額のうち、その法人が選定した償却方法に基づき計算した償却限度額に達するまでの金額を損金の額に算入するという規定になっています。
簡単にすると、法人が減価償却として経費に計上した分だけ経費になる(ただし決められた金額まで)ということになっています。これが、法人の減価償却は任意と言われている所以です。

減価償却しないとどうなるか

減価償却をしないと、固定資産の帳簿上の金額(簿価)が減りません。償却をしない分の簿価は、ずっと残り続けるということになります。
また、もうけを示す損益計算書には、減価償却費が計上されません。それがいいか悪いかという議論はあるのですが、損益計算書の見た目は利益が出ているように見えます。
さらに、期限を迎える繰越欠損金がある場合は、非償却とすることにより、期限切れによる消化不良を防ぐということができます。

売却損が多額に計上される

いい事ばかりのようにも見える非償却ですが、思わぬ弊害もあります。非償却を繰り返した時の思わぬ弊害の1つめは、固定資産の売却時にあります。
固定資産を非償却にしていると簿価が残ります。例えば、それが車両で売却時に200万円の簿価が残っているとします。売却金額が10万円だとすると200ー10=190万円の売却損が瞬間的に計上されます。対外的な決算書の見た目の印象は、一時的にですが悪くなってしまいます。

簿価=取引価格とするとき

非償却を繰り返した時の思わぬ弊害2つめは、他者へ売却するときの取引価格決定時にあります。
売買において、どのくらいの金額で取引するかとなったとき、簿価を参考にすると、通常よりも多く残った簿価の金額で算出するような格好になってしまいます。
ただし、これには解決方法があります。その価格決定時にきちんと減価償却した場合の簿価を示してあげることです。そのため、いつ非償却としたか把握しておく又は、最初から計算をやり直して簿価を示してあげる必要があります。

まとめ

減価償却は、投資資産の回収という目的から、なるべく毎期きちんと計上すべきものです。ただ、諸事情により減価償却を計上しない場合もあるでしょう。そのような場合は、非償却を選択すると、このような弊害があるということも、少し考慮してみるとよいかもしれません。

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