その登記ちょっと待った:相続税がかからない2つのパターン

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相続税がかからない。この「かからない」には2つのパターンがあります。相続税がかからないという結果が同じでも、その経過は違っています。そのパターンと注意点について解説します。

相続税がかからない2つのパターン

相続税がかからない場合には、2つのパターンがあります。
1つめのパターンは、相続税の申告が必要ないので、相続税がかからない。
2つめのパターンは、相続する財産について評価減をしたり、相続税の諸控除を適用すると、結果として相続税がかからない。
結果は同じですが、経過が違います。その違いを認識しておかないと、かからないと思っていた税金がかかることになることもあります。

パターン1 相続税の申告が必要ない

課税価格の合計額が、遺産に係る基礎控除額以下である場合には、相続税の申告をする必要はありません。相続税の申告が必要ない場合については、こちらの記事「再度確認を:相続税の申告が必要ない場合とその計算方法の注意点」にも書きました。
これは、税額うんぬんではなく、頭っから申告自体が必要ないというパターンです。

パターン2 結果として相続税が算出されない

相続税には、残された遺族の生活を守るため、算出された税額に対して、または税額が算出される過程において、様々な特例や控除が用意されています。
特にインパクトが大きいのは、配偶者の税額軽減というもの。ざっくり言うと、相続する人が、亡くなられた方の配偶者である場合、1億6千万円までなら相続しても税金はかかりません。
結果として相続税が算出されないパターンとは、こういった諸控除や特例を適用した結果として相続税が算出されないというパターンです。

注意が必要なパターン2

同じ相続税がかからないでも、パターン2の場合注意が必要です。それは、本当はかかっているから。本当はかかっているのにかからないようにしているのです。
相続税がかからないようにするためには、特定の要件が必要です。その要件を満たさない人が相続した場合、相続税はかかります。

具体的には

亡くなられた方の遺族が、配偶者と子2人で遺産は1億円だったとします。基礎控除額は3,000万円+600万円×3人=4,800万円ですから、相続税がかかる遺産は、5,200万円です。これなら、前述の配偶者の税額軽減を使えば、相続税はかからないということでよさそうです。
「相続税はかからないのか。じゃあどうせなら自宅は子どものものにしておこう。相続は後からまた発生するんだから、子どもの名前で登記しておけばいいじゃないか」
ちょっと待ってください。子どもには軽減がありません。子どもの名前で登記してしまうと、相続税はかかります。

まとめ

「相続税がかからない」と言われると、「そうなんだ。じゃあどうせなら…」となる気持ちはよくわかります。ただ、この「かからない」にはパターンがあります。特に登記などの、後から直すのが大変なものは、この「かからない」の違いをよく認識してからするようにしましょう。


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