裁決事例を読んでみる:不動産を贈与するなら登記が重要になる

過去の贈与が成立していない(という裁決事例です)。

裁決事例

一般的に、税務署が行う処分に対する不服申立は、
国税不服審判所(以下「審判所」)に行います。

裁決事例(さいけつじれい)は、その場合に出された審判所の判断で、
いわゆる裁判所で出される判決とは違い、法律にはなりません。

ただ、実務において一定の影響力があることは確か。

この裁決事例を、自身に置き換えて税務の判断をしていくのは、
有効な活用方法のひとつです。

とまあ、審判所や裁決事例のことについてはこのくらいにして、
大事なのは、そこで出てくる事例です。

こんな話

ある方(納税者)が、不動産を贈与しました。

贈与契約書をきちんと作成し、その書類は公正証書にもしています。

ただ問題は、その不動産を登記したのは、
その贈与契約をしたずっと後、8年後のことでした。

納税者側の主張は、

過去に贈与をしたもので、
もう時効なんだから申告しなくていいでしょ

というもの。

対して税務署側の主張は、

不動産登記をした時点が、
実質的に贈与が成立した時です。申告してください

というものでした。

国税不服審判所HP:公表裁決事例(平9.1.29裁決 裁決事例集No.53 381頁)❒

審判所の判断は

これについて審判所の判断は、

不動産登記をした時期が、贈与をした時期です。
きちんと申告してください

というものでした。

税務署側の主張が、認められた訳です。

その判断の理由として審判所は、

・不動産の登記をしていないことに正当な理由がないこと

・贈与してからも、その不動産の使用状況が変わっていなかったこと

などを挙げています。

まとめ

裁決事例を読んでみる。

不動産を贈与するなら登記が重要になる。

不動産を贈与する場合は、

契約だけでなく、登記もしておくべき

という事例でした。

ただ実際には、登記だけの問題ではなく、

・贈与してからも、その不動産の使用状況が変わっていなかったこと

とうのも、重要な判断基準のひとつです。

実態を重んじる税務の考え方が、よくわかる事例ですね。

 

 

◉編集後記◉

昨日は、パートナーの実家で鉄板やきそばを。本格的な鉄板で焼いたやきそばは、ホントに旨い。なぜ一般家庭に本格的な鉄板があるのかは謎ですが(^^)


にほんブログ村 士業ブログ 税理士へ