果たしてメリットは。
特例贈与
2015(平成27)年1月1日以降の贈与税の税率は、「一般贈与財産」に適用するもの(以下、一般贈与)と「特例贈与財産」に適用するもの(以下、特例贈与)に、区分されています。
「一般贈与」と「特例贈与」の違いは、その財産をやり取りする相手の違い。
「一般贈与」は例えば、
・兄弟間の贈与
・夫婦間の贈与
・親から子への贈与で子が未成年者の場合
などが挙げられます。
これに対して「特例贈与」は、直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)への贈与する場合というピンポイント。
直系なので、夫の親からの贈与は、特例贈与になりません。
税率を比べてみると
「一般贈与」よりも「特例贈与」の方が税金が安いというのが、この制度の売りです。
「一般贈与」よりも「特例贈与」の方が税金が安いというのは、「一般贈与」と「特例贈与」で、異なった税率(特例贈与のほうが低い税率)を適用できるからなのですが…。
実際の税率を見てみましょう。
(国税庁HPタックスアンサー『No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)』より抜粋)
そう、鋭い方はわかられたかもしれません。
実は、一番使うであろう200万円以下の税率って同じ税率なんです。
「特例贈与」は、贈与する財産の金額が大きくならないと、メリットがありません。
「一般贈与よりも特例贈与のほうが税金が安い」というのは、本当です。
でも、金額が大きくならないとそのメリットは出てこない。
これをつけておくべきでしょう。
一般に、500万円、600万円を贈与するということになると、住宅の購入資金にするということが多いのではないでしょうか。
そうなると、住宅取得等資金の贈与税の非課税の制度を使ったほうがよい。
そういったことにもなりますね。
もちろん、そのような制度が使えない特殊な事情があるときなどは有効です。
メリットが全くないという訳ではありません。
まとめ
「一般贈与」より「特例贈与」のほうが安いは本当?
比べてみると…。
現状では、特例贈与に際立ったメリットはないというのが私の見解です。
これに、
・さらに有利な税率帯がつくられる
・税率でなく基礎控除額(110万)が違う
・相続財産(3年以内の贈与)に加算されない
などの有利な条件が加われば、また違った話になるのかもしれません。
ただ、これをきっかけに、制度が拡充していくことは十分あり得ます。
注目しておくべき動きのひとつであることには、間違いありません。
◉編集後記◉
昨日は、午前中、畑の整備。午後はセミナーの打ち合わせを。